今回は東京出版の『大学への数学 1対1対応の演習 数学III 曲線・複素数編』を紹介します。特に難関大学受験を考えている受験生にとっては、広く知られている受験参考書になります。今回はこの参考書について話をしたいと思います。
この本の対象となる人
- 大学受験を見据えた学習(数学)をしたい人
- 数学の応用力を身に付けたい人
となります。この本に関しては学校等で一通り数学IA・IIB・IIIの学習を終えている方が良いでしょう。ですので、先取り学習のために使うのにあまり適さないので注意して欲しいところです。また、「ミニ講座」や「コラム」などは発展的な内容も含まれていますので、読める人だけ読むと良いと思います。
どんな本なの?
「大学への数学」執筆者が書いているが、中身は意外と丁寧?
本の出版元は「東京出版」という会社で、「大学への数学」とその関連書籍を出版している会社です。「大学への数学」と聞くと「数学好きが読む本」というイメージを持たれる人も多いかと思いますが、こちらの『1対1対応の演習』シリーズはかなり丁寧に内容が書かれています。
本の構成としては単元ごとに4つの章(そのうち一つは数IIIの総合問題)に分けて解説されており、それを理解するための例題の解説も比較的丁寧に書かれております。数学IA・IIB・IIIの学習が一通り終えていることを前提としておりますが、「要点の整理」のページで問題を解くために必要な定義、用語、定理、必須事項がコンパクトにまとめられています。
重要な概念や手法などが詳しく説明されている
各テーマでは教科書の重要事項や入試で必須の項目だけでなく、是非とも身につけておきたい手法や発展的な内容なども詳しく解説されています。なので、難関大学受験者には特に参考になるかと思います。
インプットとアウトプットのハイブリット型
概念の説明や手法の解説は例題で行われており、その確認のために演習題が1題ずつ用意されています。各例題ごとで理解したことを演習題でアウトプットようにすると良いと思います。なお、演習題はそれに対応する例題よりもやや難しい問題となっているので、なかなか解けなくても焦る必要はありません。じっくり取り組んで欲しいと思います。
個人的におススメな使い方
例題に書いてある手法の理解に徹する
本書では36の例題と50の演習問題が用意され、どれも入試問題の基礎~標準の難易度となっております。これらの例題は
- これからも出題されると思われる典型問題
- 一度は解いておきたい必須問題
- 幅広い応用が利く汎用問題
- 合否への影響が大きい決定問題
のどれかです。それらが精選されているので、まずはこの36題の理解と解法の定着を優先することが、難関大学受験の準備になるかと思います。そのうえで、数IIIの総合問題の演習に取り組むと良いでしょう。
拾い読みから始めるのもOK
この本の中には発展的な内容や一つのテーマを深堀したものも含まれていますので、「すべてを完璧にという姿勢だとちょっと大変」という方もいらっしゃると思います。そういった場合は、各例題の中から「理解して使ってみたい」と思うところを中心に拾い読みするのも良いと思います。「一から順々に」という読み方が必ずしも正解とは限りません。
意欲的な人は「ミニ講座」を読んでみる
本書の所々に「ミニ講座」と題されたコラムがあります。これは一つの問題(テーマ)に焦点を当てて、詳しく解説された記事です。普段の学習の中ではなかなか触れられないようなことも書いてあるので、より詳しく学習したい人には非常におススメです。
以上のことを踏まえてこの本の興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。
今回紹介した本は1対1対応の演習/数学III 曲線・複素数編 (大学への数学 1対1シリーズ)
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