今回は東京出版の『大学への数学 マスター・オブ・場合の数』を紹介します。「大学への数学」シリーズの中でもマニアックな1冊ですので、知らない人も多いでしょう。今回はこの参考書について話をしたいと思います。
この本の対象となる人
- 最難関大学受験を見据えた学習(数学)をしたい人
- 場合の数を極めたい人
となります。この本に関しては場合の数についての典型的な解法を習得していて欲しいところ。間違っても、先取り学習のために使うのには適さないので注意してください。基本的に数学が大好きでマニアックな内容に興味がある人や、通常の場合の数の問題では飽き足らず、深く学びたい人向けの内容になっています。
どんな本なの?
「大学への数学」執筆者が書いており、高度な内容
本の出版元は「東京出版」という会社で、「大学への数学」とその関連書籍を出版している会社です。「大学への数学」と聞くと「数学好きが読む本」というイメージを持たれる人も多いかと思いますが、そのイメージのままの参考書になっています。
本の構成としては5つの部に分けて解説されており、問題演習が中心です。まずは自分の頭で考えてそれからしっかりと解答解説を読んで理解するという作りになっています。できれば数Bの数列(漸化式)の学習まで終えていることが望ましいと思います。場合の数の分野自体覚えるべき公式は少ないですが、せめて二項定理は学習しておきましょう。
重要な概念や手法などが詳しく説明されている
各部では入試で必須の項目だけでなく、是非とも身につけておきたい手法やかなり発展的な内容なども詳しく解説されています。内容の理解自体難しいものが多い分、最難関大学受験者には特に参考になるかと思います。
どちらかと言えばアウトプット型
本書の構成としては演習が中心です。「重要手法のまとめ」に位置付けられた部もありますが、基本的には自分の頭でしっかり考えたうえで取り組んで欲しい問題がずらりと並んでおります。そのため、他の参考書・問題集などで基本的な問題や典型的な問題の解法は一通り学んだうえで、更なる学力向上のために使うようにした方が良いと思います。キチンとした基礎力がない状態で本書を読んでも本書の内容を理解するのに苦労すると思います。
個人的におススメな使い方
第0部をキチンと読んでから取り組む
本書では第0部から第4部まで5部構成になっております。第0部では「数えるときの基本姿勢」が解説されており、網羅系参考書に載っているような解法を再確認するのに使えます。まずは、これまでの学習した内容を振り返り、そのうえで第1部以降の問題演習に取り組んで欲しいところです。
自信のある人は第3部から取り組んでみる
第3部は「大学入試演習」となっております。実際の入試問題を扱いながら、場合の数の頻出テーマに沿って演習をしていくようになっております。第2部までの内容をベースとした演習となっていますので、内容は高度です。ですが、最難関大学受験者にとっては一度は解いておいて欲しい問題も多いので、まずは自分の力と入試の難問との差を感じてから、そのギャップを埋めるために第0~2部に取り組むという方法もアリではないかと思います。
以上のことを踏まえてこの本の興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。
今回紹介した本はマスター・オブ・場合の数―大学への数学 (分野別重点シリーズ (2))
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