大学の過去問に手を付けると解けないのは何故?【受験数学】

入試数学

受験学年での勉強の流れとしては概ね

  1. 基礎固め
  2. 応用系問題集などで実力アップ
  3. 志望校・受験校の過去問対策

と言った感じかと思います。網羅系参考書を終えて、いざ受験校の過去問を解く時期になると(特に難関大学志望の生徒に多く) 言われるのが「過去問が難しくて解けないですが、もう一度参考書や問題集に戻った方がいいのでしょうか?」という質問です。解法や定石がまだまだ身についていない場合は、もう一度これまで使っていた参考書に戻るのも一つの手でしょう。しかし、そうでない場合に関しては違う角度から勉強の仕方をとらえ直さないといけません。今回はそんなお話です。

問題集や参考書は分野や単元によって編集されている

皆さんがお使いの数学の問題集や参考書の多くは分野や単元ごとに問題が収録されています。こちらの方が学習を進めて行く上でも勉強しやすいですし、本の執筆者も編集しやすいというメリットがあります。

大学入試の過去問が解けないのは単なる実力不足だけじゃない

赤本に載っている過去問を解いてみて思うように解けなかったという生徒の話を聞くと、

  • 参考書や問題集に載っているような典型的な問題
  • どの解法を使うのかはっきりしている問題

には対処できたが、一見どの分野・単元の解法を使って解くのか判断がつかない問題は全然手を付けられないといった状況が多いようです。この『どの分野・単元の解法を使って解くのか判断がつかない問題』の一つに融合問題というものがあります。

入試問題では単純な解法暗記で対応できないような問題を少なからず出して来ます。分野や単元を横断した融合問題の問題演習が足りないと、「見たことがない問題」と勝手に思い込み全く手が動かない状態に陥りがちです。この手の問題の演習に時間をかけられるかどうかが一つのカギになってきます。

効果的な学習法とは?

色々な問題を解きまくる時間はない

では網羅系参考書などで一通りの学習が終わった後にどのような学習が必要かを考えてみます。一番良いのは色々な問題をじっくり考えて解くことですが、受験勉強の観点では実践的ではありません。数学学習だけに時間をかけられる人は皆無だからです。

おススメの問題集はこういう系

そこで融合問題に特化した問題集としておススメしたいのはコレです。

数学I・A・II・B 融合問題ターゲット76」「数学III 融合問題ターゲット76 」は融合問題の攻略に焦点を当てた問題集になっています。問題ごとにレベルが書かれており

  • レベルA:典型的な重要問題
  • レベルB:標準的な頻出問題
  • レベルC:知っていると有利な問題、およびやや難しい問題

となっております。使い方も様々で

  1. 解きやすい問題、気に入った問題、得意分野の問題から取り掛かる
  2. レベルA ⇒ レベルB ⇒ レベルC の順で理解していく
  3. 図形に関連する問題、関数に関連する問題、数式に関連する問題などテーマごとに解く

などがあげられます。

使用上の注意

  • 最初の問題から順番に問題を解いていくのはおススメしません。
  • あくまでも網羅系参考書などで一通りの解法学習をした人向けです。
  • 解法が数通り載っている問題については、とっつきやすい解法から理解してみましょう。
  • 国立志望ならセンター得点率75%以上、私立志望ならGMARCH理科大以上の方におススメです。

融合問題の学習には時間をかけよう

融合問題の学習は単なる解法暗記だけでは対応しづらい性質があります。その理由の一つは、どのような知識・解法を使えばいいのか絞りこみが難しいことと、それを組み合わせるの難しさにあります。そのような問題に対してはそれまでの数学学習よりも時間がかかる傾向にありますので、学習計画を立てる段階で融合問題を解く時間を設けるようにすると良いと思います。

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