数学が出来ないと嘆いている人の勉強を見ているといくつか共通点が見られます。例えば次のようなものです。
- 公式や基本的な解法を覚えて使いこなせていない
- 数学の式変形が満足に出来ない
- そもそも勉強時間が足りない
- 解法の丸暗記で乗り切ろうとする(解法の理解が不足している)
などがあげられます。これらに関しては私個人の経験則だけでなく、いろいろな指導者の方の話を聞いたり、学習サイトを見たりしても似たような考えのようです。ですが、もう少し根本的なところに問題がある人も多いような気がしています。今回はそれについて話をしたいと思います。
「何を求めるのか?」が出発点
手段に囚われている人が多い
数学が苦手な人(偏差値で言うと45以下)の答案を見ていると、一見それらしい計算・解法を書いているのですが、答えの部分を見ていると問われていることとかけ離れたことが書かれていることがあります。これは単純な計算ミスによるものではなく、そもそも何を答えるのか分かっていないと思われる解答です。
具体的に言えば、\( x\)についての2次関数の最大値を求める問題なのに因数分解をして値が0になるような\( x\)を求めているというようなものです。ちょっと考えればオカシイことに気が付くはずなのですが、当の本人は答えになり得るものを答えているつもりなのです。筆者はココに根本的な問題が潜んでいると思っています。それは、何を求めるのか(つまり目標・目的)を考えずに、問題文中に書いてある式を見てそれらしい式変形(手段)をしているということをしているのでないかということです。
ラーメンと蕎麦の違い分かりますか?
先ほどの例であげたように、2次関数の最大値を求める問題なのに因数分解をしだす人の解答を見ていると、「おいしいラーメン屋はどこ?」を聞いているのに、蕎麦屋の話をされている感じです。聞いたこちらとしては「麺類なのは合ってるけど、ラーメンと蕎麦の違いもわからないの?」という感覚になってしまいます。
目的なくして行動なし
数学が苦手と言っている人は”ラーメンの話なのに蕎麦のことを書いていないか?”、”ラーメンと蕎麦の違いはわかっているのか?”をまず点検してみてください、「何を求めるのか」がわかってはじめて「何をするのか(すべきか)」になります。
何も考えずにとりあえず行動をして運よく解けたということもたまにはあるでしょう。しかし、テストや入試においては「何となくやってみたらたまたま解けた」というよりも「これでやればうまくいくはずで、やっぱりうまくいった」ということがどれだけ多く出来るかが大事です。なぜなら、それが解答の再現性に関わってくるからです。
「問題集を何周する」「解法をしっかり理解する」「計算力を身に付ける」などのことは解答を得るために必要なことではあるのですが、これら以前に「何を求めるのか」ということをしっかり認識したうえで問題を解くよう心掛けてみてください。
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