今回はKADOKAWAの『志田晶の確率が面白いほどわかる本』を紹介したいと思います。大学入試数学で苦手としている人が多い確率に関して解説した参考書です。個人的には良い参考書だと思いますので、これについて話をしたいと思います。
この本の対象となる人
- 中堅国公立大~難関大学志望の人
- 東大・京大などのトップレベル大学対策の基礎固めをしたい人
となります。この本に関しては数学Aの場合の数・確率と数学Bの数列(漸化式)を一通り学習していることを前提としております。ですので、教科書の例題レベルの公式については習得している必要があるでしょう。また、漸化式の基本的なの解き方についてもマスターしていてほしいところです。学力層としては河合塾の偏差値(数学)で55~と言った感じでしょうか。
どんな本なの?
方針から計算途中まで詳しく書いてある
本の構成としては25のテーマ(章)に分けて解説されており、それを理解するための問題が5~6題用意されています。一応、教科書での学習が一通り終えていることを前提としておりますが、必要に応じて教科書の内容(公式の確認)から解説をはじめているところも多いです。
問題を解く際の方針や実際の解答での計算について非常に詳しく書かれています。一部の問題集などで見られる「いきなり解答が始まる」や「途中計算が所々省略されている」などが極めて少ないのが特徴です。また、間違えやすいところや知っておくと良いことなど補足事項も書いてあり、親切な作りになっています。
場合の数・確率の典型問題だけでなく、発展内容も扱っている
本書の序盤・中盤は典型問題の習得が中心です。しかし、終盤は発展的な問題が多く並んでおります。中堅大学を志望する生徒については中盤までの問題の習得が出来ればOKだと思いますが、難関・最難関大学を志望する生徒は最後の発展編まで習得しておきましょう。
インプットとアウトプットのハイブリット型
この参考書の良いところは巻末に問題一覧がついているところです。解説が詳しい(講義系)参考書では少し珍しいタイプの本です。また、問題量も豊富なので、アウトプットのために利用することも可能です。
個人的におススメな使い方
場合の数・確率に自信のない人は最初から順々に読む
この本の目次のところを見てもらうとわかるのですが、25のテーマ(章)が
- 基礎編
- 場合の数編
- 確率編
3つに分けられております。場合の数・確率に自信のない人は基礎編から一つずつ取り組んで欲しいと思います。その際特にうろ覚えになっている公式や解法がないか確認してみてください。場合の数・確率を苦手にしている人や自信が持てていない人は、そもそも典型問題の定石や解法が身についていない場合が多いです。また、場合の数を求めるときにモレ、ダブりがないように処理するのが下手だったりするので、本書で採用されているような見通しの良い解き方を検討するのが良いでしょう。
一通りの定石・解法が身についている人は先に問題だけ解いておく
場合の数・確率に関してある程度自信のある人は問題一覧で先に解いてみてから、解説を読んでみると良いと思います。その際に、自分の方針や数え方と解答解説のやり方の違いを意識しながら取り組みましょう。答えだけ確認して満足しているようではダメです。場合の数・確率では数え方の工夫をするかしないかで、解答時間が劇的に変わります。場合の数・確率の問題で計算ミスが多い人や時間内に解答に辿り着けない人の解き方を見ると、最初の方針や数え方が下手だったりミスしやすい方法を選択している場合も多いように思えます。
以上のことを踏まえてこの本の興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。
今回紹介した本は志田晶の 確率が面白いほどわかる本
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