浪人生の7、8割は現役時の成績を超えられない理由

学習全般

現役生の受験生を教えているときに時折聞くのが「今年〇〇大学に受からなかったら浪人します」や「○○大学レベルにしか受からなかったら浪人を考えています」という話です。もちろんどうしても行きたい大学・学部がある場合であれば、浪人するのも良いでしょう。ですが、全力を出し切らずに安易に「ダメだったら浪人」という考えにはあまり賛成できません。今回はそんなお話です。

現役合格が無理なら浪人してでもと言うが…

昔からよく言われているのは、浪人したからと言って成績が伸びるとは限らないということです。もちろん、そんなことは分かっているよ!という人も多いと思いますが、では逆に聞きたいのは浪人することによりどれくらいの人が現役時より成績が上がり第一志望に近づけるのかということです。浪人生の半分ぐらいは現役時より成績が上がると思っている人は幻想です(厳しい意見ですが)。

浪人時と現役時で成績を比べると、浪人生のおよそ2割ぐらいは成績が上がると言われています。しかし、6割ぐらいの方は成績があまり変わらず、残りの2割の人は成績がむしろ下がるとも言われています。成績が下がるというのはかなり怖いですよね。何のために浪人したんだか…。

「伸びしろはある」が伸ばせない理由

ほとんどの浪人生は「伸びしろ」をもったまま浪人生活に入ります。ではなぜこの「伸びしろ」を伸ばしづらいのでしょうか?

なぜ受からなかったのかの検証・分析が甘い

自分が「なぜ受からなかったのか」を考えるのは辛いと思います。ですが、そこにしっかり向き合わないといけません。その際、なんでもかんでも自分以外のせい(通っていた学校・塾など)にしてしまう「他責」の考え方をしてはダメです。もちろん、人のすすめでそうしたのかもしれませんが、それを言い訳にしていたらしょうがないのです。一番先に考えるべきは自分の内側に目を向けて何がいけなかったのかを洗い出すことです。これを伴った検証・分析でなければいけません。

1年間モチベーションを維持するのが難しい

浪人したての4月はやる気があるかもしれませんが、例年5月頃からドンドンモチベーションが下がってきます。原因はさまざま考えられ、進学した友達の楽しそうな様子を見て「自分だけなんでこんなに頑張ってるんだろう」とか不合格になったくやしさを段々忘れてきてしまうなどです。やる気が起きなければなかなか勉強が進まないのが人間ですので、一般的にモチベーションの維持は現役時よりも難しいと思ってください。

勉強に新しい刺激が少ない

浪人での勉強は1度経験した内容に取り組むのが中心です。ですので、現役生以上に何度も何度も同じことを繰り返します。特に夏までは基礎基本の繰り返しで、「これ現役の時にやったよ…」という気持ちが湧きあがてきます。そもそも、それがキチンと出来ていないということが、浪人している理由の一つなのですが….。

同じことの繰り返しは人間誰しも辛いですよね。それに耐えねばなりません。もちろん、浪人して初めて聞くこともあるでしょうが、圧倒的に現役時よりも少ないです。

誘惑に弱い

浪人すると学校のような強制力が弱まります。予備校に行くつもりがゲーセン、カラオケ、映画館などの誘惑に負けてしまう人も多いです。現役生のときにはそんな浪人生に軽蔑のまなざしを向けていた人も易きに流されやすいので、注意が必要です。

安易な気持ちで浪人はダメ

ちゃんと勉強している浪人生は成績が上がります。ですが、そうでない人も多いのも現状です。浪人する場合はしっかりと考えてするようにしましょう。

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