今回は数研出版の『チャート式基礎からの数学II+B(通称 青チャート)』を紹介します。多くの学校で指定参考書になっておりますので、もはや説明不要感はありますが、今回はこれについて話をしたいと思います。ちなみに「基礎から」とあるので、黄チャートより簡単では?と誤解されるかもしれませんが、青チャートの方が難しいものになっているので注意が必要です。
この本の対象となる人
- 大学受験を見据えた学習(数学)をしたい人
- 数学の日常学習のみならず、応用力を付けたい人
となります。この本に関しては学校での数学II・Bの授業と並行して使うことができます。また、先取り学習をしたい人であれば教科書と併用しながら使うのが丁度良いでしょう。数学が苦手な人にとっては難しすぎる問題もあるので、ある程度数学に自信がある人が取り組むと良いでしょう。
どんな本なの?
教科書例題~入試標準レベルの問題が中心
本の構成としては「例題」とその類題の「練習」がそれぞれ420問、「EXERCISE」と呼ばれる章末問題が269問、「実践問題」と呼ばれる共通テスト対策用問題が12題、「総合演習」と呼ばれる発展・応用問題が62問の合計1183問が収録されております。難関大学受験で数学を使うのであれば、例題とその類題についてはどの問題も一度は必ず解いておきたい問題が載っています。
ただし、「確率分布と統計的な推測」の単元は学習していない方がほとんどだと思いますので、この分野の「例題」及び「練習」のそれぞれ28題、「EXERCISE」の7題、「総合演習」の5題、「実践問題」の1題は除外して考えていいでしょう(それでも、膨大な量の問題です)。
入試数学の典型問題を中心に網羅的に問題が載っている
日常学習から入試やや難レベルまでを網羅しているので問題の量は非常に豊富です。「EXERCISE」や「総合演習」などは、かなり程度の高い問題も多いので、これ一冊の問題を80~90%ぐらい解けるようになれば、河合塾の模試で偏差値65~70は取れるようになるでしょう。
インプットとアウトプットのハイブリット型
本書では教科書の例題レベル~入試やや難レベルの問題について解法が丁寧に書かれています。必要に応じて教科書の内容(公式・定義の確認)が記載されておりますので初学者にもやさしい作りになっています。本書では各例題ごとに「指針」という部分があり、ここに公式や定理・解法のポイントなどが書かれているので必ず目を通すようにしましょう。そのうえでしっかりと解法を理解し、「練習」の問題を解きながら解法を定着させるようにしましょう。問題量も多いので、アウトプットも同時に可能です。
個人的におススメな使い方
初学者や自信のない人は教科書と併用しながら取り組む
初学者や数学に自信のない人は教科書で公式や定理の証明を確認し、それを使った例や例題を見た後で本書の”基本”例題を解いてみましょう。教科書をしっかりと読むところから始め、”基本”例題を取り組むのがポイントです。そのうえで自分の解答と本書の解答を比較しながら、方針や計算の仕方を検討してください。特に解けなかった例題は必ず「指針」や「CHART」という部分をよく読んで理解したうえで例題をもう一度解いたり、「練習」の問題に取り組むようにして解法の定着を図るようにすると良いでしょう。
基礎の確認をする受験生は、まず例題を解いてみる
基礎・基本の確認したい受験生は、まずは例題に取り組みましょう。例題のすぐ下には解答が載っているので、最初は解答を隠しながらやると良いと思います。そのうえで解答を確認してください。その際、自分の解き方との違いを確認しながら読むと良いです。
また、必ず「CHART」や「指針」という部分にも目を通しておきましょう。例題が解けなかったときは特に注意深く読むようにしてください。その後、「練習」の問題にも取り組むようにすると良いでしょう。時間的に余裕があれば、「EXERCISE」の問題にもチャレンジしてみましょう。
コンパスの個数を決めて取り組む
本書はコンパスマークで例題の難易度を表しています。コンパスのマークが
- 1個・・・・教科書の例レベル
- 2個・・・・教科書の例題レベル
- 3個・・・・教科書の節末、章末レベル
- 4個・・・・入試の基本~標準レベル
- 5個・・・・入試の標準~やや難レベル
となっています。日常学習で使用するのであればコンパス3個までで十分でしょうし、入試を見据えた学習をするのであれば4個と5個まで学習すると良いでしょう。現状に合わせて決めて欲しいと思います。
「フィードバック」と「フォワード」マークで関連性のある問題ごとに取り組む
各例題ごとに「フィードバック」または「フォワード」と呼ばれるマークがついています。
これらは関連する例題番号や基本事項が記されています。ですので、基本例題を解いていてわからなくなった場合は「フィードバック」に書かれている参照箇所を確認したり、より応用的な問題については「フォワード」に書かれている例題に取り組むようにすれば、問題の関連性(繋がり)を意識しながら学習を進めることが出来ます。こういった使い方もできるのがチャートのいいところでしょう。
以上のことを踏まえてこの本に興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。
今回紹介した本はチャート式 基礎からの数学Ⅱ+B
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