【参考書】『数学Ⅰ・A 入門問題精講 新装版』の紹介

参考書

今回は旺文社の『数学Ⅰ・A 入門問題精講 新装版』(池田 洋介 著)を紹介したいと思います。一通り数学IAを学習したけど疑問な点が多くて困っている人やこれから数学IAを学習したいけど、教科書を自分で読み進めて行く自信がない….そんな方にピッタリの本書について話をしたいと思います。

この本の対象となる人

  • 教科書を読んでも分からなかった人
  • 一通り数学IAを学習したけど分からないところが多い人
  • 教科書レベルの問題をしっかりと理解したい人

となります。この本に関しては、数学IAの範囲を一通り学習していなくても読み進められるように書かれております。学力層としては河合塾の偏差値(数学)で、~40と言った感じでしょうか。数学IAの基礎が出来ていない人やこれから勉強を始める人であれば、どなたでも対象になりえます。

どんな本なの?

用語や概念の説明が詳しく書いてある

本の構成は、例題・練習問題・応用問題の解説を通して、概念の理解や教科書レベルの問題の理解を促すようになっております。特に、初学者や教科書を読んでもよくわからなかった人向けに、用語や概念が丁寧に解説されているのが特徴です。

練習問題や応用問題の解説も非常に詳しく書かれています。一部の問題集などで見られる「いきなり解答が始まる」や「途中計算が所々省略されている」などが極めて少ないです。また、生徒の間違えやすいところ・誤解しやすいについても補足として書いてあり、親切な作りになっています。

教科書レベルから入試問題への橋渡し的な難易度

本書に出てくる問題は、教科書の例題~章末問題レベルです。「数学は苦手だけど大学入試で数学を使う」という人にとって、大学入試対策の最初の一冊として最適な内容となっております。途中で挫折する危険性が少ない参考書でしょう。

インプット型の参考書

どちらかというとインプット型の参考書になります。本書で学習・理解した内容を、自分のものにするために、別の問題集に取り組むと良いと思います。取り組む問題集も最初は解説が詳しいものを中心に行い、解法に慣れてきたら解答スピードを上げるために教科書傍用問題集を使うのもありかと思います。

個人的におススメな使い方

イチから理解したい人は前から順々に読む

本書では大きく分けて

  • 第1章 数と式
  • 第2章 関数と関数のグラフ
  • 第3章 三角比
  • 第4章 場合の数
  • 第5章 確率
  • 第6章 データの分析
  • 第7章 集合と論理

の7つの章に分けられております。

  • 例題(教科書の例レベル)・・・14問
  • 練習問題(教科書の例題レベル)・・・75問
  • 応用問題(教科書の節末・章末問題レベル)・・・13問

を通して問題のアプローチ方法や解答を解説しています。また、新しい用語や概念が出てくるところでは、その説明も図やイラストとともに書かれているので理解しやすいものになっております。高校内容はどうしても難しい概念が出てくるのですが、難しい概念も正面から丁寧かつ詳しく説明している点が印象的です。

既習の人は先に問題を解いておく

すでに数学IAを習っている人は、現在の実力を確認する意味で先に「練習問題」を解いておき、解説を読むようにするのもありかと思います。その際、単に答えが合っている、合っていないだけに終始するのではなく、解法のプロセスをしっかり意識しながら解説を読んでほしいと思います。また、「コメント」「注意」「アドバイス」と書かれたところにも目を向けるようにして、1題1題深く理解できるようにすると良いでしょう。

解説を読んでも分からないところがある場合、そもそも概念の理解があやふやであることが原因の一つとして考えられます(学習者が思っている以上に多いです)。その場合は、問題と問題の間に書いてある講義部分をしっかり読むようにしてから、再度問題の解説を読むようにするようにしてみてください。

以上のことを踏まえてこの本に興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。

今回紹介した本は数学Ⅰ・A 入門問題精講 新装版

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