今回は旺文社の『数学III基礎問題精講 四訂新装版』(上園 信武 著)を紹介です。これから大学受験に向けて準備を始めたいけど、どんな参考書を使えば良いか分からない方や、基礎を固めたい方にピッタリの本書について話をしたいと思います。
この本の対象となる人
- これから大学受験の準備を始めたい人
- 一通り数学IIIを学習したけど分からないところが多い人
- 入試の基礎レベルの問題をキチンと解けるようになりたい人
となります。この本に関しては、数学IIIの範囲を一通り学習していることが望ましいです。学力層としては河合塾の偏差値(数学)で、~50と言った感じでしょうか。数学IIIの基礎が出来ていない人やこれから受験勉強を始める人であれば、どなたでも対象になりえます。
どんな本なの?
見やすく効率よく学習できるようなレイアウト
本書の構成は、原則1ページもしくは2ページの見開き構成となっていて読みやすいです。また、入試に出題される基本的な問題を本書では「基礎問」と呼んでおりますが、「基礎問」の解説は丁寧に書かれています。一部の問題集などで見られる「いきなり解答が始まる」や「途中計算が所々省略されている」などが少ないです。そして、解答の注意点も要点を絞って簡潔にまとめられているのも特徴です。
教科書レベルから入試問題への橋渡し的な難易度
本書に出てくる問題は、教科書の例題~入試基礎レベルです。「受験レベルの問題になるとちょっと手が出ない…」という人にとって、大学入試対策の最初の一冊として最適な内容となっております。手ごろな難易度のため途中で挫折する危険性が少ない参考書でしょう。
インプットとアウトプットのハイブリッド型
まずは「基礎問」の解説(講義)をよく読み解法をインプットできるように書かれております。その後、学習した内容を確認するための演習問題(基礎問の類題)が用意されています。こちらを解いてアウトプットし、解法を定着させるようにすると良いでしょう。
個人的におススメな使い方
イチから理解したい人は前から順々に読む
本書では大きく分けて
- 第1章 式と曲線(12問)
- 第2章 複素数平面(24問)
- 第3章 いろいろな関数(4問)
- 第4章 極限(16問)
- 第5章 微分法(26問)
- 第6章 積分法(43問)
の6つの章に分けられております。基礎問(入試に出題される基本的な問題)を通して問題のアプローチ方法や解答を解説しています。「精講」の部分では解答の方針を示してあり、「ポイント」の部分では解法の要点が簡潔にまとめられているので、そのあたりを読み飛ばさないようにしながらじっくり解法を理解すると良いです。なお、読者の学力層を考慮してか、解答に必要な最低限の公式についても書いてくれているのも特徴です。
そのうえで「演習問題」を解いて解法の定着をはかるようにすれば、効率よく学習が進むハズです。
既習の人は先に問題を解いておく
すでに数学IIIを習っている人は、現在の実力を確認する意味で先に「基礎問」を解いてから解説を読むようにするのもありかと思います。その際、単に答えが合っている、合っていないだけに終始するのではなく、解法のプロセスをしっかり意識しながら解説を読んでほしいと思います。「精講」や「ポイント」と書かれたところにも目を向けるようにして、1題1題深く理解できるようにすると良いでしょう。
また、「演習問題」も必ず解いてほしいと思います。理解したことをアウトプットすることで理解が更に深まりますし、繰り返し解くことで解答スピードも速くなります。
以上のことを踏まえてこの本に興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。
今回紹介した本は《新入試対応》数学III基礎問題精講 四訂新装版
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