【参考書】『志田晶の集合・論理、整数が面白いほどわかる本(KADOKAWA)』の紹介

参考書

今回はKADOKAWAの『志田晶の集合・論理、整数が面白いほどわかる本』を紹介したいと思います。大学入試数学で苦手としている人が多い集合・論理、整数に関して解説した参考書です。個人的には良い参考書だと思いますので、これについて話をしたいと思います。

この本の対象となる人

  • 集合・論理、整数問題を得意にしたい受験生
  • 中堅国公立大~難関大学志望の人
  • 東大・京大などのトップレベル大学対策の基礎固めをしたい人

となります。この本に関しては数学Iの集合と命題と数学Aの整数の性質を一通り学習していることを前提としております。ですので、教科書の例題レベルの解法については習得しているのが望ましいでしょう。学力層としては河合塾の偏差値(数学)で55~と言った感じでしょうか。もちろん、この偏差値に到達していなくても意欲的な人は読み進められるように書かれているの心配しなくて大丈夫です。

どんな本なの?

定義の確認や解答の方針も詳しく書いてある

本の構成としては20のテーマ(章)に分けて解説されており、それを理解するための問題が5~6題用意されています。一応、教科書での学習が一通り終えていることを前提としておりますが、必要に応じて教科書の内容(公式・定義の確認)から解説をはじめているところも多いです。

問題を解く際の方針や実際の解答での計算について非常に詳しく書かれています。一部の問題集などで見られる「いきなり解答が始まる」や「途中計算が所々省略されている」などが極めて少ないのが特徴です。また、間違えやすいところや知っておくと良いことなど補足事項も書いてあり、親切な作りになっています。

直感的に当たり前なことも丁寧に解説されている

本書の中では

  • 0はすべての整数の倍数であり、1はすべての整数の約数である。
  • 約数の約数は約数である。
  • 公倍数は最大公倍数の倍数である。
  • 公約数は最大公約数の約数である。

など、直感(感覚)的に当たり前なことも丁寧に解説されています。多くの受験生が手に取る参考書では意外とこういったことを丁寧に書いている書籍は少ないものです。

インプットとアウトプットのハイブリット型

この参考書の良いところは巻末に問題一覧がついているところです。解説が詳しい(講義系)参考書では少し珍しいタイプの本です。また、問題量も豊富なので、アウトプットのために利用することも可能です。

個人的におススメな使い方

集合・論理、整数に自信のない人は最初から順々に読む

この本の目次のところを見てもらうとわかるのですが、20のテーマ(章)が

  • 集合・論理編
  • 整数(標準)編
  • 整数(応用)編

3つに分けられております。集合・論理、整数に自信のない人は集合・論理編から一つずつ取り組んで欲しいと思います。その際、特にうろ覚えになっている定義や定石がないか確認してみてください。集合・論理、整数を苦手にしている人や自信が持てていない人は、そもそも定義を理解していなかったり、典型問題の定石や解法が身についていない場合が多いです。

一通りの定石・解法が身についている人は、しっかり時間を取って先に問題を解いておく

集合・論理、整数に関してある程度自信のある人は問題一覧で先に解いてみてから、解説を読んでみると良いと思います。その際に、自分の方針・考え方と解答解説のやり方の違いを意識しながら取り組みましょう。答えだけ確認して満足しているようではダメです。集合・論理、整数では身に付けるべき公式や定石が少ない分、解法選択の判断力が重要です。また、集合・論理、整数問題の難問には数学的な論理力(論証力)がないと完答できないような問題が多いのも特徴です。こういった問題では自分の頭でどれだけ考えたかが如実に出るので、じっくり取り組んでみてください。

「必要条件・十分条件」を理解して読み進めて行く

「必要条件・十分条件」を数学と思っていないという人、いませんか?実は数学では非常に大事な概念です。本書では第3章で必要条件・十分条件と整数問題との関係性について触れられています。この章を軽視することはせず、必ず読むようにしましょう。そして「必要条件・十分条件」の理解を深めたうえで読み進めて行くようにしましょう。

以上のことを踏まえてこの本の興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。

今回紹介した本は志田晶の 集合・論理、整数が面白いほどわかる本

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