【参考書】『日常学習から入試まで使える 小倉悠司の ゼロから始める数学I・A(KADOKAWA)』の紹介

参考書

今回はKADOKAWAの『日常学習から入試まで使える 小倉悠司の ゼロから始める数学I・A』を紹介したいと思います。高校に入って数学が良く分からなくなってしまった人や、もともと数学を苦手としている人には良い参考書だと思いますので、これについて話をします。

この本の対象となる人

  • 高校に入って数学が良く分からなくなってしまった人
  • 中学生の頃から数学が苦手だった人
  • 大学入試に向けて基礎固めをしたい人

となります。この本に関しては数学I・Aの事前学習を前提としていないので、まったくの初学者からでも取り組めます。また、一度学習をしている人は理解不足の部分だけ拾い読みして使えます。

どんな本なの?

数学I・Aがこれ以上ないぐらい詳しく書いてある

本の構成としては59節に分けられており、一つ一つ丁寧に解説が書かれております。必要に応じて中学内容の復習もあるので、本当に数学が苦手な人でも読み進められるように配慮されています。

文章も口語調で書かれており、読みやすいものになっているのも特徴の一つです。また、節ごとに「この節の目標」と「まとめ」が載っているので、この節では何を学習し何を得られたのかが明確になっております。

問題のレベルは教科書の例・例題レベル~章末問題ぐらいまでが中心

本書の中では基礎・基本を徹底的に重視した作りになっています。そのため、数学が苦手だけど国公立やMARCHに何とか合格したいという人の基礎固めには最適でしょう。

特に数学の偏差値が50をなかなか超えられない生徒の特徴の一つに、基礎的な問題が解けたり解けなかったりして正答率が低いというものがあります。基礎問題や基本問題の完成度を高めることが合格への第一歩です。

インプット型の参考書

この書籍はインプット型(講義系)参考書ですので、数学I・Aの初学者や本当に数学が苦手な人は最初の方から順々に理解していきましょう。きちんと時間を取って読めば、ちゃんと理解できるようになっています。各節の最後の方に練習問題がありますので、仕上げとしてこの問題も解くようにして下さい。その際、別冊解答に載っている「リフレクション・シート」を活用しましょう。これは、自分の理解度を段階に分けて確認するためのものです。自分がどこでつまずき、どこから分からない(出来ない)のかをチェックするために著者が作成したものになります。これを用いて復習するようにしましょう。

個人的におススメな使い方

共通テスト数学I・A対策の準備に使える

試行調査の問題を解いてみるとわかるのですが、正弦定理の証明に関連する出題がありました。共通テストを作っている大学入試センターの公式見解では次のように述べられています。

令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針 (一部抜粋)

(4)数学(数学Ⅰ,数学Ⅰ・数学 A,数学Ⅱ,数学Ⅱ・数学 B)

数学的な問題解決の過程を重視する。事象の数量等に着⽬して数学的な問題を⾒いだすこと、構想・⾒通しを⽴てること、⽬的に応じて数・式、図、表、グラフなどを活⽤し、⼀定の⼿順に従って数学的に処理すること、及び解決過程を振り返り、得られた結果を意味付けたり、活⽤したりすることなどを求める。また、問題の作成に当たっては、⽇常の事象や、数学のよさを実感できる題材、教科書等では扱われていない数学の定理等を既知の知識等を活⽤しながら導くことのできるような題材等を含めて検討する。

令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針

教科書に載っている定理がそのまま題材として扱われるかどうかはわかりません。しかし、こういった公式・定理の証明問題は普段の学習でどれだけ意識しながら学習しているかが如実に出ます。著者の方はあまり触れていませんが、公式や定理の証明もめちゃくちゃ丁寧です公式や定理の証明に使われる方針やアイディアは今後の数学において役に立ちますので、本書を使ってじっくりと取り組んで欲しいと思います。

大学受験に向けた基礎固めをしたい人は練習問題から先に解く

すでに数学IAを学んではいるが時間が経って知識があやふやな人や大学受験に向けて基礎を固めたい人は問題一覧で先に解いてみてから、解説を読んでみましょう。その際にも、必ずリフレクション・シートを使ってください。答えの結果だけ確認して満足しているようではダメです。答えを得る過程も含めて復習することが、本当の意味での基礎固めになります。もし、分からないところがあるようでしたら、該当の節の講義をしっかり読んで理解するようにしてください。

以上のことを踏まえてこの本の興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。

今回紹介した本は日常学習から入試まで使える 小倉悠司の ゼロから始める数学1・A

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