今回はKADOKAWAの『大学入試共通テスト 数学IAの点数が面白いほどとれる本』(志田 晶著)を紹介したいと思います。大学入学共通テスト 数学IAの対策用参考書です。本書は2005年に刊行された『センター試験数学IAの点数が面白いほどとれる本』を大学入学共通テスト用にリニューアルしたものになっております。今回は本書について話をしたいと思います。
この本の対象となる人
- 大学入学共通テストで数学IAを受験する受験生
- 早期から大学入学共通テスト対策を始めたい人
となります。この本に関しては数学IAの範囲を一通り学習していることを前提としております。ですので、教科書の例題レベルの解法については習得しているのが望ましいでしょう。学力層としては河合塾の偏差値(数学)で45~と言った感じでしょうか。もちろん、この偏差値に到達していなくても解説がかなり丁寧なので、心配しなくても大丈夫です。
どんな本なの?
定義の確認や解答の方針も詳しく書いてある
本の構成としては解法のパターンを解説した「解法パターン編」と問題演習を中心とした「演習編」に分けて解説されております。一応、教科書での学習が一通り終えていることを前提としておりますが、教科書の内容(公式・定義の確認)から解説をはじめているところがほとんどです。
また、問題を解く際の方針や実際の解答での計算について非常に詳しく書かれています。一部の問題集などで見られる「いきなり解答が始まる」や「途中計算が所々省略されている」などが極めて少ないのが特徴です。また、間違えやすいところや知っておくと良いことなど補足事項も書いてあり、親切な作りになっています。
大学入試共通テストだけでなく、2次試験の基礎固めもできる
本書では大学入試共通テストだけでしか通用しないものは基本的に載っておりません。そのため、本書で学んだことはそのまま2次試験の基礎固めにもなるのが特徴の一つです。それもこれも大学入学共通テストの出題形式ばかりに目を奪われた作りになっていないからです。
インプットとアウトプットのハイブリット型
「解法パターン編」を通読し理解することにより大学入学共通テストで必要となってくる解法や考え方は網羅できます。それを活用する練習として「演習編」がありますので、インプットとアウトプットが1冊でできるようになっております。大学入学共通テスト対策用の問題集に手を付ける前の1冊として重宝すると思います。
個人的におススメな使い方
基礎固めをした人は前から順々に読む
「解法パターン編」では
- 数と式
- 2次関数
- データの分析
- 場合の数・確率
- 図形と計量
- 図形の性質
- 整数の性質
の7つの単元に分けられております。受験に向けて基礎固めをしたい人は「解法パターン編」を前から一つずつ取り組んで欲しいと思います。その際、特にうろ覚えになっている定義や定石がないか確認してみてください。思考力・判断力を養うためにはある程度の知識が必要です。それが抜け落ちていると、どんなに学習をしても考えが空転するだけです。
一通りの定石・解法が身についている人は、しっかり時間を取って「演習編」を解いてみる
一通りの定石・解法がある程度身についている人は「演習編」で先に問題を解いてみてから、解説を読んでみると良いと思います。その際に、自分の方針・考え方と解答解説のやり方の違いを意識しながら取り組みましょう。答えだけ確認して満足しているようではダメです。
以上のことを踏まえてこの本に興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。
今回紹介した本は大学入学共通テスト 数学I・Aの点数が面白いほどとれる本 面白いほどシリーズ
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