【参考書】『計算のエチュード 計算の基礎・知識編[数学I・A・II・B用](数学教育研究所)』の紹介

参考書

今回は数学教育研究所の『計算のエチュード 計算の基礎・知識編[数学 I, II, A, B 用]』を紹介したいと思います。大学入試において数学が必要な大学・学部を志望している文系受験生にとっては大変勉強になる書籍だと思いますので、これについて話をしたいと思います。

この本の対象となる人

  • 大学入試において数学が必要な大学・学部を志望している文系受験生
  • 計算力を向上させたい人

となります。 この本に関しては数学 I・II・A・B を一通り学習していることを前提としておりますが、ひとまずは教科書の例題レベルの問題が解ける程度であれば取り組むことが可能でしょう。また、学力としては河合塾の偏差値(数学)で50~と言った感じでしょうか。意欲的な人は偏差値が50に届かなくとも大丈夫です。

どんな本なの?

大学受験数学の計算のための問題集

範囲は、数学 I・II・A・B ですが、この範囲の計算をすべて網羅するためのものではなく中・上級者でもつまずく計算について、そのセンスと考え方を学ぶものとなっておりますので注意しましょう。

また、本書で採用されている問題は「似てはいるが解決方法は異なるもの」や「 正しい知識が意外とよく知られていないもの」 となります。こういった明確な視点で問題がセレクトされている計算用問題集は少ないです。

収録されているすべての問題に意図がある

大学入試本番では、どういった意図(どんな力を試しているのか)で問題が出されているのかわからない状態で問題を解くのが普通です。したがって、「何を使って問題を解くのか」から出発して答えを見つけていくのです。本書では問題の意図を明確にして「何を使ってどう処理していくのか」の判断力を身に付けられるように配慮されています

アウトプット型の書籍

計算練習用の問題集ですので、まずは問題に取り組み一旦最後まで計算をしてみましょう。そのうえで解答を読むようにしてください。本書では計算を進めて行く過程で困難が生じ、先に進めないような問題が所々に配置されています(答えを先に見てしまうと簡単そうに思えるが、実際に手を動かして計算してみると上手く行かない問題ってありますよね)。「困難はどこなのか?」を意識した上で解答を読むようにしてください。

個人的におススメな使い方

必ず「この問題で学んでおきたいこと」を読む

本書はおおまかに言って

  • 計算の基礎のエチュード
  • 計算の知識のエチュード

の2つに分けられております。「計算の基礎のエチュード」では計算の基本的な姿勢や考え方を学ぶ章になっています。「計算の知識のエチュード」 では計算の中級~上級者が見落としがちな計算知識に関する問題が集められています。このどちらの章にも問題ごとに「この問題で学んでおきたいこと」という部分があります。この部分こそが著者が問題を通して伝えたいことですので、ここを読み飛ばすことがないようにしましょう。

必ず「テーマエチュード」も解く

本書で収録されている問題は意図が明確に示されています。意図の確認が完了したら、問題ごとについている「テーマエチュード」の問題に取り組みましょう。著者の視点を自分でも再現できるかどうかをチェックするための問題を通して計算処理能力の向上を目指したいものです。

「Kindle Unlimited」に登録すれば無料で読める

本書に関してはAmazonの「Kindle Unlimited」に登録すれば無料で最後まで読むことができます。「Kindle Unlimited」の登録には月額980円かかりますが、30日間無料体験が出来ますので使ってみて気に入らなければすぐに解約できるので、非常に良心的なサービスです。ですので、試しに登録して30日間を目安に学習を進めてみるのも良いかもしれません。

以上のことを踏まえてこの本の興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。

今回紹介した本は計算のエチュード 計算の基礎・知識編[数学 I, II, A, B 用]

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