今回は小学館の『細野真宏のベクトル[空間図形]が本当によくわかる本』を紹介したいと思います。ベクトルはどうしても苦手…という人も多いはず。そんな人にとってピッタリの参考書かと思いますので、これについて話をしたいと思います。なお、姉妹書である『細野真宏のベクトル[平面図形]が本当によくわかる本』を読んでいない人は、こちらから学習することをおススメします。
この本の対象となる人
- ベクトルが苦手で何とかしたい人
- ベクトルの応用問題が解けるようになりたい人
となります。この本に関しては数学Bの平面ベクトルを一通り学習しておくことをおススメします。教科書等で概念や公式の基本的な使い方に触れておいた方が良いでしょう。ベクトルは特に、「何が分からないのかが分からない」という現象に陥りやすい単元なので、その部分を出来るだけ明確にしておくことが大切です。なお学力層としては河合塾の偏差値(数学)で40~と言った感じです。
どんな本なの?
教科書レベル~入試の標準レベルの問題が厳選されている
本の構成としては例題4問、練習問題4問、総合演習問題7問(+参考問題2問)が収録されております。教科書レベルの問題から入試の標準レベルの問題を丁寧に解説されています。典型・有名問題が多く載っているのが特徴です。出来るだけ少ない時間で最大の学力アップを目指している参考書という印象です。
非常に解答・解説が丁寧
紙の参考書はやや厚め(全231ページ)ですが、その分解答解説が詳しいのが特徴です。解答に入る前に「考え方」や必要な知識(公式を含む)がしっかりと書かれているので、一部の問題集であるような「要点を簡潔に述べて、いきなり解答が始まる」ということがない参考書です。
インプットとアウトプットのハイブリッド型の参考書
例題を通して、空間ベクトルの問題のアプローチ方法を解説しております。その解説が理解できた後で、自分のものにできるようにするための練習問題も用意されています。「読んで分かる(理解できる)こと」と「自分でスラスラ解けること」は別ですので、練習問題にも必ず取り組むようにしましょう。最後のセクションでは総合演習問題も用意されていますので、仕上げに取り組むと良いでしょう。
巻末にPoint一覧が載っている
本書では巻末にそれまでに記載したPointの一覧が載せてあります。一通り学習し終わった後に、解法の整理をする上では非常に有用かと思いますので上手く活用しましょう。
個人的におススメな使い方
極力前から順々に取り組んでいく
参考書の中にはアラカルト的に勉強出来るものもありますが、本書に関してはそれがやりづらいかと思います。というのも、基本的にベクトルが苦手な人向けに書かれた参考書なので、やはり王道ではありますが前から順々に取り組むのが良いかと思います。
その際、例題の問題を少し考えてから(5分~15分程度)解答・解説を読むようにするようにしましょう。何が分かっていて何が分からないのかを整理しながら取り組むのがポイントです。
取り組む範囲を絞る
本書に収録されている問題の難易度は
- AA:基本問題レベル(教科書の例題程度)
- A:入試の基本問題レベル(~共通テストレベル)
- B:入試の標準問題レベル
の3つに分かれています。小問ごとに難易度を表示している問題もあります。ベクトルが本当に苦手な人は、まず、AA、Aレベルの問題を繰り返し取り組むようにすると良いでしょう。自分で答案が再現できるようになるまで繰り返すのが理想です。そのためにも、いろいろな問題を手当たり次第取り組むのではなく、苦手なうちは基本解法の習得に徹するべきです。基本解法が習得できてから、いろいろな問題に取り組んで応用力を身に付けるようにすると良いでしょう。
この際、ダラダラ取り組むのではなく、1周目は1週間~10日程度で行うようにしてください。苦手なものほど、ドンドン忘れていきますので、なるべく短期集中で取り組むのがコツです。
以上のことを踏まえてこの本に興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。
今回紹介した本は細野真宏のベクトル[空間図形]が本当によくわかる本 (数学が本当によくわかるシリーズ)
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