【参考書】『志田晶の 数学覚醒講義(KADOKAWA)』の紹介

入試数学

今回はKADOKAWAの『志田晶の 数学覚醒講義』(志田 晶著)です。本書は2008年に刊行された『大学入試 数学の裏ワザが面白いほど使える本 1・A・2・B』を大幅にバージョンアップさせたものになっております。今回は本書について話をしたいと思います。

この本の対象となる人

  • 難関大学で数学を使ってを受験する受験生
  • スマートな解法を増やしたい人

となります。この本に関しては数学IAIIBの範囲を一通り学習していることを前提としており、教科書の章末問題が8~9割解けるレベルが望ましいでしょう。学力層としては河合塾の偏差値(数学)で60~と言った感じでしょうか。もちろん、意欲的な受験生についてはこの偏差値に到達していなくても解説がかなり丁寧なので、それほど心配しなくても大丈夫です。

どんな本なの?

学校ではあまり教わらない解法が紹介されている

本の構成としては15の章に分けて解説されて、解法を説明するための「問題」が74問と、その準備のための「check」という問いが45問あります。数学IAIIBの範囲は既習であることと、教科書に載っているような公式や定理の基本的な使い方はマスターされていることを前提として書かれております。

書かれている解法は、市販の参考書にあるような「標準的な解答」と、学校ではあまり教わらない「スマートな解答」の2種類があり、その両方の習得を目指して書かれております。

基礎が身についていない人向けではない

本書では、公式や定理の基本的な使い方ができる人対象に書かれております。したがって、それらが身についていない方については初学者向けの参考書を通じて公式・定理の基本的な使い方および、典型問題の解法を身に付けてから読むようにするといいでしょう。

どちらかというとインプット型

講義内容を通読し理解することにより、新たなアプローチ方法を獲得できるように書かれております。扱われている問題のアプローチ方法も丁寧に書かれているので、ある程度時間をとって取り組めば難しいと思われる部分の理解も大丈夫なようになっているのが特徴です。

個人的におススメな使い方

興味関心のあるところから取り組んでいく

本書では解法の講義部分を「覚醒講義」と呼んでいます。この「覚醒講義」は15個のテーマに分けて書かれております。それぞれにタイトルがつけられており、中には大学範囲の内容に触れたものもあります。しかし、どれも高校までで習う知識をベースに解説されているので、最初戸惑うところがあっても、無理なく理解できるように書かれています。すべてのテーマに関して最初から興味・関心があるという人の方が少ないと思いますので、関心度の高いものから読んでいくことをオススメします。

読んで理解した後は、理解を深めるため問題集などで問題を探して実際に使ってみるようにしましょう。「スマートな解法」のご利益がより一層わかるはずです。

講義の「問題」部分だけでなく「check」部分も読む

本書では解法を説明するための「問題」が74題あります。その一つ一つに「標準的な解法」と「スマートな解法」が書かれているのですが、その理解を補うための問いとして「check」というものが用意されています。この「check」部分に対して、受験生にありがちな『飛ばし読み』をしてしまうと理解が進みません。少々面倒かもしれませんが、一つ一つ丁寧に読むことを心掛けるようにしてみるとよいでしょう。

以上のことを踏まえてこの本に興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。

今回紹介した本はスマートな解法から裏ワザまで 志田晶の 数学覚醒講義

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