【問題集】『数学IIIの入試基礎 講義と演習(東京出版)』の紹介

問題集

大学受験に向けて夏休み頃までに行うべきことの一つに「基礎固め」があります。数学IIIの基礎固めをしたいという方も多いはず。東京出版の「大学への数学」シリーズに『数学IIIの入試基礎 講義と演習』というものがありますので、今回はこれについて話をしたいと思います。

この本の対象となる人

  • 大学受験に向けて数学IIIの基礎固めをしたい受験生
  • 現在数学IIIを習っていて、教科書と並行して学習したい人

となります。また対象となる学力層としては河合塾の偏差値(数学)で45~と言った感じでしょうか。もちろんこれに達していない方でも、この本の中で読めそうなところや興味がある部分だけ拾い読みすることも可能なので、まずは手に取ってみるのも良いでしょう。

どんな本なの?

「大学への数学」執筆者が書いているが、中身は意外と丁寧?

本の出版元は「東京出版」という会社で、「大学への数学」とその関連書籍を出版している会社です。「大学への数学」と聞くと「数学好きが読む本」というイメージを持たれる人も多いかと思いますが、こちらの『数学IIIの入試基礎 講義と演習』は初学者にも分かるようにかなり丁寧に内容が書かれています。

本書は各分野を「講義」と「演習(2セット)」で構成されています。講義のページは、大学入試で必要となる基礎事項を詳しく解説し、演習のページで学習したことを着実に身につけることが出来るように配慮されております。一応、教科書での学習が一通り終えていることを前提としておりますが、必要に応じて「講義」の内容を確認してから演習すると良いです。

「講義」ページで必須事項や手法などが詳しく説明されている

「講義」のページで入試の必須事項が丁寧に解説されているだけでなく、是非とも身につけておきたい手法も解説されています。そのため、基礎固めをするには特に良い問題集と思います。また、重要な公式・定理については巻末にまとめて載っているので、公式や定理を必要に応じて手早く確認することが出来ます。

どちらかと言うとアウトプット型

「講義」のページで定義や公式の説明がありますが、「演習」のページで問題演習をするのが中心です。同じテーマの演習が2セットずつ用意されているので1セット目の反省を踏まえて2セット目にも取り組むと良いでしょう。

個人的におススメな使い方

初学者は「講義編」から読む

この本の目次のところを見てもらうとわかるのですが、「講義編」が

  • 分数関数、無理関数など
  • 極限
  • 微分法
  • 積分法(計算問題)
  • 面積・体積・弧長
  • 平面上の曲線(2次曲線)
  • 複素数平面

の7つに分けられております。この7つの章について重点的に学習したいものを選んでから読んでみると良いと思います。特に定石が何なのかを知るためには例題に載っている手法の理解と運用の仕方に時間を割いて読むようにすると良いでしょう。そのうえで「演習編」に取り組んでみてください。

既習者で基礎固めをしたい人は「演習編」から取り組む

演習編は

  • 極限
  • 微分法
  • 積分法(計算問題)
  • 面積・体積・弧長
  • 平面上の曲線(2次曲線)
  • 複素数平面

の6つに分けられております。各章ごとに2セットずつ問題が用意されているので、まずは1セット目を設定目標時間で解いてみましょう。解答解説を読み答え合わせを行ったら、2セット目に取り組んでみるとより解法が定着することと思います。同じテーマのものが2セット用意されている問題集はあまり見かけないので、反復練習には丁度良いと思います。なお、うろ覚えや解法が定着していない部分があれば、「講義編」に戻って確認するようにしましょう。

以上のことを踏まえてこの本の興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。

今回紹介した本は数学IIIの入試基礎 講義と演習 (大学への数学)

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