【参考書】『大学への数学 微積分 基礎の極意(東京出版)』の紹介

参考書

今回は東京出版の『大学への数学 微積分 基礎の極意』を紹介します。「大学への数学」シリーズの中でも知る人ぞ知る1冊です。数学IIIの微積分において大学入試の基礎から応用まで網羅した参考書になっております。今回はこの書籍について話をしたいと思います。

この本の対象となる人

  • 難関大学受験を見据えた学習(数学)をしたい人
  • 教科書と入試問題のギャップを埋めたい人

となります。本書に取り組む前に教科書等で一通り数学IIIの学習を終え、微積分に関しての疑問点を持ったうえで読み進めるようにすると良いでしょう。また対象となる学力層としては河合塾の偏差値(数学)で55~と言った感じでしょうか。もちろんこれに達していない方でも、この本の中で読めそうなところや興味がある部分だけ拾い読みすることも可能なので、まずは手に取ってみるのも良いと思います。

どんな本なの?

「大学への数学」執筆者が書いており、中身は意外と丁寧

本の出版元は「東京出版」という会社で、「大学への数学」とその関連書籍を出版している会社です。「大学への数学」と聞くと「数学好きが読む本」というイメージを持たれる人も多いかと思いますが、こちらの『微積分 基礎の極意』は数学IIIを一通り学習した人であれば十分ついて行けるように書かれています。

本の構成としては

  • 第1部 計算力チェック
  • 第2部 手筋・常識・落とし穴/キーポイントマスター
  • 第3部 有名問題・典型問題の解明

の3部制になっております。第1部の「計算力チェック」以外は解説が中心となっておりますので、内容理解にしっかりと時間を使うと良いでしょう。

重要な概念や手法などが詳しく説明されている

各部では入試で必須の項目だけでなく、是非とも身につけておきたい手法やかなり発展的な内容なども詳しく解説されています。また、教科書レベルから入試の有名問題・典型問題を多く扱っていますので、本書で謳われているように入試問題の8割はカバーされていると思います。

どちらかと言えばインプット型

本書の構成としては解説が中心です。第2部では微積分を身近に使いこなせるようになるためのポイントが200ぐらい精選されています。これらのポイントは少しずつ読み進めるのでも良いですし、苦手なところを拾い読みするのも良いと思います。また、第3部で扱われている問題はどれも非常に重要な問題ですので、これらの問題をマスターできれば入試問題(数学IIIの微積分)の8割方はすぐに方針が立つのではないかと思います。

アウトプットについては現状の学力において適切と思われる問題集を各自用意して、解法の定着を図るようにすると良いでしょう。

個人的におススメな使い方

第1部の問題にまず取り組んでみる

第1部では「計算力のチェック」のための問題が28問用意されております。内容は極限・微分・積分の単元から出題されており、目安の解答時間もついています。まずは解答時間を守って解いてみて解答解説を読みながら、自分の解き方と比較検討すると良いでしょう。特に微積分は計算処理能力がものを言いますので、侮らないようにしましょう。できれば2、3度繰り返し解いてスピードアップにつなげられると理想的です。

興味のあるところを拾い読みする

第2部、第3部では数学IIIの入試問題を解くうえで重要な事柄が丁寧かつコンパクトにまとめられております。特に第3部では一つ一つの問題が独立して書かれているので、興味のある問題や深く学びたい問題を拾い読みするのも良いかと思います。すべてを完璧にという姿勢も時には大事ですが、まずは出来るところから少しずつ吸収して自分の武器を増やしていければ学力向上にもつながります

また、教科書に書いていないことも数多く載っているので、それらを中心に読むのも自分の理解を深める意味で使いやすいと思います。

以上のことを踏まえてこの本の興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。

今回紹介した本は微積分/基礎の極意―大学への数学

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