今回はKADOKAWAの『志田晶の 複素数平面・式と曲線が面白いほどわかる本』を紹介したいと思います。数学IIIの学習においては「極限」「微分」「積分」がメインになりがちで、「複素数平面」「式と曲線」は後手になっている受験生も多いと思います。そんな方にこそおススメしたい参考書なので、これについて話をしたいと思います。
この本の対象となる人
- 「複素数平面」「式と曲線」がイマイチ解けない人
- 「複素数平面」「式と曲線」を得点源をしたい受験生
となります。この本に関しては一度教科書などで学習したあとで読み進めることを推奨しております。全くの初学者であれば、分からなくてもよいので数学IIIの教科書の該当部分を読んでから取り組んでみましょう。学力層としては河合塾の偏差値(数学)で50~と言った感じでしょうか。もちろん、この偏差値に到達していなくても意欲的な人は読み進められるように書かれているの心配しなくて大丈夫です。
どんな本なの?
公式の確認や解答の方針が詳しく書いてある
本の構成としては27のテーマに分けて解説されており、それを理解するための問題が3~8題用意されています。扱われている問題は、教科書の例題レベル~入試問題のやや難レベルぐらいまでとなっておりますが、必要に応じて教科書の内容(公式・定義の確認)から解説をはじめているところも多いのでとても親切です。
問題を解く際の方針や実際の解答での計算について非常に詳しく書かれています。一部の問題集などで見られる「いきなり解答が始まる」や「途中計算が所々省略されている」などが極めて少ないのが特徴です。また、間違えやすいところや知っておくと良いことなど補足事項も書いてあり、親切な作りになっています。
受験生が疑問に思う部分を丁寧に解説している
本書の中では既習者が疑問に思う部分に対して丁寧に解説されています。つまり、学習内容とその疑問の間にあるギャップを埋めてくれるような解説に重点が置かれています(このあたりが著者が出している参考書シリーズの特徴でもあります)。
インプット型とアウトプットのハイブリット型の参考書
この参考書の良いところは巻末に問題一覧がついているところです。解説が詳しい(講義系)参考書では少し珍しいタイプの本です。また、問題量も豊富なので、アウトプットのために利用することも可能です。また、この参考書ので扱われている例題の多くは、難関大学の入試問題を解くときにも基本になるようなものです。ですので、問題を見たときに解き方が頭にすぐ浮かぶぐらいまで繰り返しインプットするようにしましょう。
個人的におススメな使い方
複素数平面に自信のない人は「準備編」を必ず読む
この本の目次のところを見てもらうとわかるのですが、27のテーマ(+Appendix)が
- 準備編
- 式と曲線
- 複素数平面
- 発展編
の4つに分けられております。「複素数平面」に自信がない人は必ず「準備編」を読むようにしましょう。「準備編」では「複素数と方程式」と「軌跡」に関して触れられています。「複素数平面」が苦手な生徒を見ていると、数式としての扱い方だけではなく図形的な考察が出来ていないことが多いようです。ですので、「準備編」で「複素数と方程式」と「軌跡」の内容を理解してから取り組むと良いと思います。
一通りの公式・解法が身についている人は、しっかり時間を取って先に問題を解いておく
ある程度自信のある人は問題一覧で先に解いてみてから、解説を読んでみると良いと思います。その際に、自分の方針・考え方と解答解説のやり方の違いを意識しながら取り組みましょう。答えだけ確認して満足しているようではダメです。
以上のことを踏まえてこの本の興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。
今回紹介した本は志田晶の 複素数平面・式と曲線が面白いほどわかる本
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