【問題集】『理系数学の良問プラチカ 数学III(河合出版)』の紹介

問題集

今回は河合出版の『理系数学の良問プラチカ 数学III』を紹介です。2003年に出版されてから入試数学の問題集として様々なところで紹介されている良書です。もはや解説不要感はありますが、今回はこの本についてお話します。

この本の対象となる人

  • 難関大学受験を見据えた学習(数学)をしたい理系受験生
  • 難関大学レベルの問題になると解けなくなる方

となります。この本に関しては数学IA・IIB・IIIの内容を一通り学習していることを前提にしています。したがって先取り学習をしたい人向けではなく、網羅系参考書の解法を学習し終えて更なるレベルアップを目指す方向けです。扱っている問題は入試の標準~やや難レベルの問題なので、注意しましょう。河合塾の偏差値で言えば55前後~の方が対象でしょうか。もちろん、これに達していない方でも意欲的な人でも取り組めるかと思います。

どんな本なの?

入試の標準~難レベルの問題が中心

本の構成としては数学IIIの内容の中で一通り学習しておきたい問題69題と応用的な問題7題(問題に” † “ダガー印がついたもの)の合計76問が収録されています。一つ一つの問題に丁寧な解答が付けられており、「話題と研究」の部分では補足内容が書かれております。難関・最難関大学受験で数学を使うのであれば、本書に載っている問題にじっくり時間をかけるのも良いかと思います。

アウトプット型の問題集

本書では入試の標準レベル~難レベルの問題が中心であり、まず問題番号が無印の問題69題に取り組むのが良いでしょう。この際、わからないからと言ってすぐに解答・解説を読むのではなく、入試の実践を意識して20~30分程度は自分なりに考えてから、解答・解説を読んで欲しいと思います。その上で、最終的に自分で再現できるまで繰り返し解くことをおススメします。もし、まったく手も足も出ない状況だとすれば、それは本書のレベルよりも自分の実力が著しく劣っている証拠ですので、もう少し易しい問題集を使わなければならないでしょう。

個人的におススメな使い方

分からないなりに考えてじっくり取り組む

本書レベルの問題が特に最難関大受験では実力差が現れる問題の一つかと思います(難関大学の入試における典型問題・有名問題が多く収録されているため)。そういった問題が解けるようになるかどうかが、合否に関わってきます。まずは自分なりに手を動かしながら問題に20分程度で取り組んでみてください。その中でアプローチの仕方を考えてみましょう。最初のうちは全然解法が浮かばないこともあるかと思いますが、その際は解答をじっくり読み、内容理解に時間をかけた上で再度問題を解いてみましょう。その繰り返しをすることで徐々に解法や方針が立つようになってきます。

解けそうな問題、興味がある問題から手を付けてみる

どうしても最初から順々に解きたくなってしまいますが、自分の解きたい単元から解き始めるのも良いかと思います。苦手分野から始めるのでもいいですし、逆に得意な分野を伸ばすためそのその分野から取り組むのでもいいです。入試の実践レベルに少しでも早く・多く触れることが大切です。

仕上げの問題集として使う

受験期の夏から秋にかけて志望校の過去問を解く人が増えてくると思いますが、志望校の過去問と自分のレベルのギャップに焦る人も多いと思います。特に東大・京大などの最難関大学志望の受験生に対しては、この差をいかに短期間で埋めるかが大切だと思います。難関大学の入試数学での数IIIの割合は大体4~6割ですので、そのウェートは大きいものですので、その対策用問題集として本書はおススメできる問題集です。1日2~3題を目安に取り組めば1周するのに2か月程度で済みます。もちろん1周だけでは足りないと思いますが、2,3周目もう少し短い時間で済むと思いますので、仕上げの一冊として使うのもよいかと思います。

以上のことを踏まえてこの本に興味を持たれた方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。

今回紹介した本は理系数学の良問プラチカ 数学3 (河合塾シリーズ 入試精選問題集 6)

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